石川容疑者、帝国ホテルから任意同行し逮捕 どこまで「親分」に迫れるか(産経新聞)

 「やましいところはない。(聴取では)私の知る限りのことについて述べてきた」。民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件で15日に逮捕された民主党衆院議員、石川知裕容疑者(36)。小沢氏側近議員は事件についてこう否定し続けた。まるで「親分」を守るかのような発言を繰り返してきたが、小沢氏本人の“影”も同事件では随所にうかがえる。東京地検特捜部は事件の本質にどこまで迫ることができるか。

 この日午後、特捜部による任意聴取がなかった石川容疑者は東京都千代田区の帝国ホテルにいた。夜になって急遽(きゆうきよ)、特捜部検事らが同ホテルを訪れ、石川容疑者に任意同行を求めた。「がんばります」。石川容疑者が周辺に決意表明した矢先の任意同行、逮捕だった。

 関係者によると、石川容疑者はこれまでの3回にわたる特捜部の聴取に対し、不記載そのものは認めていた。しかし、「故意ではない」「ミスだった」「立候補した衆院選の準備で忙しく記載を忘れていた」などと、犯意は否定してきたとされる。

 急転直下ともいえる逮捕劇。その背景には、石川容疑者らが昨年3月の西松建設をめぐる違法献金事件で、陸山会などへの特捜部の捜索前後に事件関係の書類を別の場所に運び出すなど、証拠隠滅を図った疑いが浮上。強制捜査が必要と判断するに足る“前科”があった。

 一方、特捜部は今月5日、小沢氏本人に対しても参考人聴取に応じるように要請したものの、小沢氏は「多忙」を理由にこれに応じていない。報道陣の問いかけにも“だんまり”を決め込みながら、10日には名人との囲碁対局を笑顔で楽しむ姿が報じられるなど、特捜部のいらだちは募るばかりだった。

 その反動は13日の一斉捜索に現れた。国会開会間近に、政治資金規正法違反容疑で東京都港区の陸山会や小沢氏の個人事務所、大手ゼネコン「鹿島」本社などについて家宅捜索に踏み切ったのだ。政権与党の「最高権力者」といわれる現職幹事長の個人事務所を含めた異例の強制捜査だった。

 土地購入の原資、不自然な資金移動…。こうした疑惑に対し、あいまいな供述を繰り返す石川容疑者。ある検察幹部は「任意の聴取で十分な供述が得られないのであれば、疑惑解明には身柄を拘束して調べるしかない」と淡々と語った。

 疑惑は土地取引についての不可解な資金移動をはじめとした不正な経理処理だけにとどまらず、東北の公共事業で「天の声」を出していたとされる小沢氏側へのゼネコンからの「裏献金」にも拡大している。

 石川容疑者は11日、地元・北海道帯広市の後援会の会合に参加した際、「ご心配をおかけしている」と陳謝した。その上で、土地代金の原資にゼネコンからの「裏献金」が充てられたとの疑惑については「1円たりともそんなお金をいただいて、土地購入の原資にしたことはない」と改めて否定していた。

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